四天王立像四天王立像 国重要文化財 (奈良時代)
 大安寺の四天王立像はいずれも頭上から台座を含めて一木彫です。四天王は、持国天は東方、増長天は南方、広目天は西方、多聞天は北方をそれぞれ守護しています。

 一般的には、甲冑に身を固め、武器を執り邪鬼を踏んで立つ像で、広目天は筆と経巻を持ち、多聞天は天に塔を捧げています。四天王は飛鳥時代から現代にいたるまで造立されていますが、時代とともに姿も躍動的になっています。

 大安寺の四天王像はいずれもかなりの後補の部分があり、本来一具であったものではないようです。しかし他の観音像と相通ずる点が多く、やはり天平末期の作といえます。

 四体とも岩座に立ちますが、これは岩というよりも山塊を表わし、仏教の須弥山を象っているともいえます。中国大陸の魏々たる山塊の形状を良く知る仏師の手になるものだと考えられます。
 持国天持国天 一木造 像高149.5cm
 増長天増長天
一木造 像高140cm
持国天 

 右手を上にかざし、左手を腰にあて、左に小首をかしげて岩座に直立します。他の三像より像高も高く、顔は大ぶりで鼻も高く、目を少し瞋らし口を固く結んでいます。静的でしかも憂いをふくんだ表情です。

増長天 

 持国天と同様、真正面を向いて直立しますが、右膝にやや動きがあります。顔は丸く、引き締まった表情で瞋目し、厚い肉付けをもつ両頬、一文字に結んだ口元など力強い忿怒相を示しますが、むしろもの静かな感じを与える像です。

 広目天広目天 一木造 像高137.5cm
 多聞天多聞天
一木造 像高138.8cm
広目天 

 増長天に似て堂々たる体躯で、顔を少し右に向け、体を左に開いて身構えて岩座に立ちます。
 口を開き、歯をあらわす忿怒相は他像にない特徴です。
 全体の作りや腰から足にかけては増長天によく似ており、この両像は一連の作と考えられています。

多聞天 

 頭に兜を、眉を逆立て、上歯で下唇を噛み、激しい忿怒の形相を示す姿は力強さにあふれています。左足を軸に、右膝を曲げて岩座に立ち動勢の強い像です。



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南都,大安寺