大安寺について

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十一面観音立像国重要文化財(奈良時代)一木造 像高190.5cm

特別公開:10月1日~11月30日

本堂中央の御本尊で、特定の期間を除き、平素は秘仏となっています。
がん封じのご本尊として日々に祈願がこめられ、多くの人が参拝されます。
十一面観音は頭上に十一面をいただく仏様で、菩薩修行階位の十地を表し、頂上仏は仏果を表しています。
喜怒哀楽の表情は衆生の苦楽を観て、共に喜び共に涙する観音様の慈悲が表わされており、左手に宝瓶を執り、右手は垂れて与願の印を結ぶ姿は一切衆生の苦悩を滅除する観音様の働きが示されています。
わが国では奈良時代に既に信仰がありました。奈良時代後期から平安時代に入って、密教伝来とともに、その信仰はさらに広く流布していきました。
本像は頭部や左手などに後補の部分がありますが、体部および台座はよく保存されています。胸部の瓔珞(装身具)は精巧華麗に刻み出されて美しく、肉付きのよい体部と柔らかい条帛裳の流れ、そして天衣の見事な表現はこの像の優美さをよく引き立てています。また腹部にしめる石帯には数珠つなぎの飾りが垂れ、台座の菊座と対葉花文が刻まれ、実に見事な意匠と彫り口が示されています。
この像は天平時代を代表する大安寺彫刻群の中でももっとも優美な仏像と言えます。

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